先週のウィル・クレメンテ(Will Clemente)が行ったオンチェーンの分析に対しての反応はとても良かった。私たちは今後これをコラムとして毎週金曜日に公開していく。以下は今週の分析である。
皆さん、良い金曜日だね。今週もこのニュースレターでオンチェーンの最新情報を確認していこう。執筆時点でビットコインの価格は、過去数週間で価格に対して強いレジスタンスとなっていた60000ドルを超えた水曜日のブレイクアウトに引き続き、63500ドルとなっている。先週のニュースレターでオンチェーンの非常に強気な状況を伝えたように、このことは想定していた通りであり、価格が膠着状態から抜け出すまでの我慢比べであった。では、短期、長期の両方で特筆に値する現在のオンチェーンのトレンドを見ていこう。まずは、広い視野で私たちが現在マクロサイクルのどの時点にあるかを確認し、ニュースレター後半では現在のトレンドに注目していこう。いつも通り、この記事で使用するデータは、ビットコイン業界を牽引するデータプロバイダの一つ、Glassnodeによるものである。楽しんで欲しい。
長期の指標
広い視野で見てビットコインの価格が強気・弱気サイクルのどの時点にあるかということを分析するのに特に有効な手段の一つは、長期保有者の動向を探ることである。強気サイクルの終わり頃、長期保有者(スマートマネー)は、一連の騰貴における最後の二次関数模様を示す上昇の間に売り抜け始める。データは現状がその段階からはほど遠いことを示している。これを表すのに特に優れた指標の一つがdormancy(訳者注:休眠などの意)である。オンチェーンで考えると、より古いコイン(移動していないコイン)がより多くのdormancyを持つということになる。Dormancyの指標は、市場に売られるコインが持つdormancyの量を表す。弱気市場では、長期の投資家が売りをせずに安いコインを買い占めるために、dormancyは低くなる。しかし、価格が上昇することでそのような保有者は売りの金銭的な動機を得るために、強気の姿勢が強まるに連れて、dormancyも上昇する。以下のチャートで、過去の強気サイクルにおいて以前ビットコインが到達したdormancyのピークを見ることが出来る。比較すると、現在のトレンドにはまだ上昇の余地がある。
保有の動向を辿るのに使えるもう一つの指標は様々な「老いた」コインの振る舞いを分析する指標である、HODL Wavesだ。色づけられた帯はそれぞれ特定の期間に移動されたビットコインの割合を表している。弱気の傾向が強まると、短期の投機家が抜け、長期保有者(スマートマネー)が供給の大部分を占めるようになる。強気市場では、特にそれが終わりに差し掛かるとき、長期保有者が売ることで、短期保有者(小口)が供給の大部分を占めるようになる。ビットコインのこれまでと比較すると、HODL Wavesも今回の強気サイクルにはまだまだ上昇の余地があることが示している。
最後に、非流動性サプライを見ていこう。Glassnodeによると、非流動性サプライとは、ウォレットに入っているサプライのうち少なくとも6ヶ月間移動しなかったサプライである。つまり、現在の大きな流動性の低下は11月から12月に購入されたコインが「非流動性」の敷居を通過していることを表している。現在の大きな低下はさておき、今回の強気市場においてサプライは常に非流動的になってきた。別な言い方をすると、今回の強気市場を通して、短期的な利益を得るために売ることを全く考えていないひもの固いウォレットがコインを買い占めているということだ。この水準の非流動性はビットコインの歴史上前例がない。
短期の指標
先週触れた指標の一つに、長期保有者のネットポジション変化というものがあった。その後、この指標は緑に転換した。非常に強気な印である。この指標では155日間の閾値を超えたサプライが「長期」のものとして捉えられる。Glassnodeによると、この指標は、使用される古いコインよりも多くのコインが155日の閾値を超えて成熟すると緑に転じる。27000ドルから32000ドルほどの最高値の後、(予想通り)ある程度の売りが見られたが、緑への転換は長期保有者が更なる価格上昇を予想していることを表している。
最近私の注意を捉えたもう一つの指標はaccumulation addresses(蓄積アドレス)である。これは少なくとも二つのトランザクションを受け取ったことがあるが、資金を使用したことのないビットコインのアドレスの数を計測する(取引所などの大きなものを除く)。2月中旬にこの指標が二次関数模様の動きを見せたように、これは、一年を通して現れた多数の新規のビットコイン保有者を表している。
まとめると、多くの指標が更なる価格上昇を示しているが、以下の二点を心に留めておく必要がある。資金調達率とSOPRである。資金調達率は市場におけるトレーダーの心情を推し量るのに使うことが出来る。継続的な高い資金調達率は、市場に大きすぎるレバレッジがかかっていることから非常に脆く、高い流動性に繋がるため、弱気の兆候である。SOPRは利食いを計測し、主に調整が底をつくタイミングを計るために使われるが、価格上昇の過熱度を推し量るためにも使うことが出来る。SOPRは価格が更に上昇する余地があることを示しているが、今後数週間、資金調達率と共に目を光らせておくべきものであることは確実だ。
私はこれら全てのトレンドに注意を払って、また来週、市場の状況について報告しようと思う。あなたがこれを楽しんで、なんらかの有益なものを拾ってくれていることを本当に期待している。また次回。さようなら。
- Will
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-Pomp-
OffTheChainジャパン
翻訳者ペンネーム:Decryptor