今週末、集権化が今や大きなビジネスリスクであることが明らかになった。特定のソーシャルメディアの投稿が削除されたり、アカウントが複数のプラットフォームで凍結されたり、アプリストアからアプリが削除されたり、クラウドサービスが企業にサービスを提供することを拒否したり、インターネットからウェブサイトが削除されたりしている。私が陰謀論者であれば、オーウェル的世界観について強力な論拠を得ただろう。
幸いにも、今朝の私はここ3、4日の間に何が起きたかということについて話をして、私たち双方の時間を無駄にしたいとは思っていない。それはニュースサイトで読んでくれれば良い。私はこれからどうなるかということについて考察をしたいと思っている。私がこの考察をする度にたどり着く答えはとてもシンプルである—世界は分散型のサービスにその地盤を大きく揺るがされようとしている。
分散型ウェブサイト、分散型モバイルアプリ、分散型ソーシャルネットワークなど、様々なものが生まれるだろう。判断の妥当性に関わらず、集権型の組織がその意思を押しつけるというリスクは今や無視できないほど大きくなった。以前、分散化は神経質な者の好みだと信じられていたが、今それは猛烈なスピードでビジネスの必須事項になってきている。
この変化は一夜では起こらない。また単に分散化だけに限ったことでもない。分散化に加えて、プライバシー技術が大きく発展する可能性も高い。これらの新たな着目点によって、テクノロジーはインターネット上での力を平均化するために活用される。説明責任追求の恐れなく巨大な集権型の企業が彼ら自身の独裁を監督する日々は終わりだ。人はステータスクオを直接変えることはできないが、足による投票として新しいテクノロジースタックを使い始めることは出来る。
このような新しいプライバシー中心の分散型テクノロジースタックを作るのには時間が掛かる。これは新しいフロントエンドを作るという話ではない。今や私たちは全てを作り直さなければならないのである。アマゾンのAWSに頼り切りではいけない。今作っているもののレジリエンスを大幅に改善するためには、アマゾン、グーグル、マイクロソフト、そしてセルフホスティングを組み合わせて活用しなければならない。本当の分散化を達成できるように、これらの新しい技術や製品の自然な受容が出来るようにしなければならないのである。
近道はこれから求められる分散化とプライバシーそのものを危機に陥れる。開発者と起業家がその仕事をしなければならない。投資家がその資金を用意しなければならない。そしてユーザーがそれを受容しなければならない。
この使命はどのような人間にとっても大きすぎる。世界的な変化が始まっており、それは全ての企業、全ての業界、全ての製品に影響を及ぼす可能性が高い。フィーチャーパリティ(訳者注:feature parity、特定のサービスの複数の形態において同等の機能を提供すること。「機能同等性」などが訳語の候補に挙がるだろうか。)、強いネットワーク効果、その上プライバシー中心の製品があるのに、企業が一言一句を監視している通信製品をどうして使うだろうか。(やあ、Signal!)
翻訳)集権型の機関が彼らの力と支配を示せば示すほど、若い世代は分散化という考え方に惹かれるようになる。
権力を持つ者は彼らが犯した大きな計算ミスに気付いていない。既に沢山の創立者や開発者が彼らの作ろうとしている分散型の製品を私に売り込みにきている。ほとんどは上手く行かないだろうが、そのうちのいくつかにはチャンスがある。
技術者はここに表れている力の幅広い行使に嫌気が差している。今の世の中では誰もが衝撃と畏怖で互いを出し抜こうとしている。「ファシズム」だと言われたら「自国産テロだ!」と言う。「反乱」だと言われたら「私企業は彼らのやりたいように出来る!」と言う。
そうなのだ—私企業は何でも彼らのやりたいことが出来る。そして彼らは私たちにそれを思い出させている。しかし同時に、何百人もの人に、より良い世界のありようがあるということも思い出させている。単独の人間や組織が私たちの受け取る情報を独断で選択しない世界がある。どのような人間や組織であっても、誰の声をより大きくし、誰の口を封じるかということを単独で決めてはならない。しかし現在、選択の権限はユーザーから取り上げられ、プラットフォーム作成者によって独占されているのだ。
これはインターネットが約束したことではない。成り上がりたちは努力して「あの人」になることに成功した。しかし、「英雄として死ぬか、生きながらえて仇敵になるかどちらかだ。」ということわざの通りである。これが正に今起こっていることである。愛されたテクノロジーの巨人たちは仇敵になりつつある。
これは新たな挑戦者の登場に繋がる。これがテクノロジーの循環である。ステータスクオに影響を及ぼすことが出来ないのであれば、それを揺るがせば良い。そしてそれこそ正に今私たちが必要としてしていることだと思う。独占者から力を取り戻し、ユーザーが誰を、そして何を消費するかを選べるようにするために、私たちにはテクノロジーを活用することが出来る。
ビットコインは当然このトレンドを10年先取りしている。分散化されている。プライバシー中心だ。そしてこまめに管理をし続けなくとも、また集権型の大権力者による検閲の可能性なくしてユーザーは完全なコントロールを得ることが出来る。端的に言ってビットコインは私たちが過小評価をしてしまうほど見事に出来ているのである。
もしあなたが分散化、プライバシー技術、またビットコインに関連することに取り組んでいるのであれば、私はあなたと話がしたい。これらは2021年の今年、私が特に注目している投資先である。これから数年間、私たちはこの数日間を振り返って時代の分かれ目だったと見るだろう。技術者は動き始めている。彼らが何を作るか見るのが待ち遠しい。
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-Pomp-
OffTheChainジャパン
翻訳者ペンネーム:Decryptor