2020年の大統領選に向けての投資家の備え方
How Investors Are Preparing For Election 2020
ここ数日間、私は私の知っている中でも特に優秀な投資家の多くと話してきた。私の目的は、彼らが様々な市場や資産についてどのように考えているのかということを理解し、また彼らが何に期待しているか、また何を懸念しているかということを特定することでもあった。以下に私が面白いもしくはシェアした方がいいと思った点を挙げていく。
まず初めに、投資家の多くはCOVID-19や当面の刺激策の方が誰が大統領に当選するかということよりもはるかに大きな影響を与えると感じているということだ。これがどのような思考過程に基づくかというと、大統領は確かに長期的には抜本的な変化を発生させるかも知れないが、短期的な変化のほとんどは企業が政府によるロックダウンの影響を受けるかどうか、そして連邦準備制度がどれだけの流動性を市場に流し込むかということに左右されるだろうというものである。
一般的には合衆国で今一度ロックダウンが行われる可能性は低いと考えられている。しかしこれによって市場がネガティブなヘッドラインや他国でのロックダウンに反応しなくなるわけではない。コロナ禍の経過に伴い、連邦準備制度と当選した政府職員は更なる刺激策を導入する必要に迫られる。この刺激策の規模は党派によるようだ。民主党派投資家は20億ドル以上を見据えているが、共和党派投資家は20億ドル未満を見据えている。私の見立てではその中間あたりの20億ドル前後になるだろう。
二つ目は、私と話した全ての投資家が税に関する懸念を口にしたということだ。ジョー・バイデン政権下では様々な税―所得税、キャピタルゲインや相続税―が大幅に増税されるのではないかという強い不安があるようだ。とある民主党派投資家が私に語ったところでは「私は民主党派だが、政府に私のカネを今以上に上げるのは好まない。」ということである。
これらリスクを軽減するために投資家が何をしているのかはよくわからないが、投資家のうちいくらかはバイデンが勝った場合に遺産相続計画を進められるように備えているようだ。また、ブルームバーグには、ケン・グリフィン(Ken Griffin)のCitadelをフロリダもしくはテキサスに移すことを考えているというコメントを強調した記事もあった。この記事には私が何度か聞いた別のことも書かれていた。つまり、大統領は重要だが、民主党による政府の下層(下院、元老院、知事)へのコントロールがどれほど大きいかということを知ることの方がより重要だということである。
三つ目は、投資家はこれからの数ヶ月間のボラティリティに確実に備えているということだ。各人はそれぞれボラティリティに対して別な対応をしようとしているが、彼らは皆ボラティリティの上昇を予測している。短期的に多くのキャッシュを保持しようと考えている者もいる。VIXをプレイしたい者もいる。また、ボラティリティが高くなる可能性が高いことを認めつつも、中長期的な投資戦略に変更はないと主張する者もいる。
四つ目は、全ての投資家が税についての懸念を持ち出したわけだが、インフレが二番目に良く出た話題だったということだ。私と話した投資家のほとんどが既にインフレは当然の結果だと感じている。彼らは2%以上のインフレ目標を達成するという連邦準備制度の公の努力を指摘したり、何兆ドルもカネを刷ってインフレが起こらないということは考えにくいということに触れたりした。私が彼らにどのような対策を講じているか尋ねると、本当に様々な答えが返ってきた。希少金属や鉱業株を買って(金属そのものよりも株の方が多いような感じがしている)いる投資家もいるし、不動産やラグジュアリーアートに安寧を求めている者もいる。
私と話した投資家のほとんどがビットコインを保有しているという事実を自ずから話し出さなかったのは興味深いことであった。私が具体的に尋ねると彼らはビットコインがインフレヘッジ戦略の一部であると認めた。変な感じだった。それはまるで私たちが誰にも言えない秘密について話しているような感じで、しかし一旦その話題が持ち出されると、これからの12から24ヶ月間のビットコインの展望について非常に強気に話すようだった。
最後に、私と話したほとんどの投資家は次のようなことを口にした。大統領選によって新たな投資ポジションにエントリーする機会が生まれるが、それが大量の売りや決済に繋がることは滅多にない。その大まかな思考過程は、大統領が誰であるかに関わらず、合衆国が上手く行かない方に賭けるのはとても近視眼的だということである。彼らはほぼ全員、他の全ての選挙に加えてこの選挙の長期的な影響はどこまで行っても極小であると感じていた。
私は弱気な投資家の一人に私たちが人類史で最も安全で繁栄した時代に生きていることを伝えた。彼の反応は「うん。それは確実に今後すぐに変わることのないトレンドだね。」というものだった。そんなわけで長期的な追い風もありつつ、投資家は選挙に注目してはいるが、そのことで大きな投資の判断を下すことはしていない。しかし、彼らは確かに税や遺産相続計画の影響に基づいて判断を下している。
「三つ子の魂百まで(”The more things change, the more they stay the same”)」ということわざの通りである。この選挙も同じようだ。友よ、気をつけて。良い選挙日を、また明日。
-Pomp-
OffTheChainジャパン
翻訳者ペンネーム:Decryptor
